本ページは、当社が提供するすべてのエア遊具に共通する技術説明ページです。
陸上エア遊具と水上遊具の違い
エア遊具は一見すると似た構造に見えますが、使用する環境や用途によって、適した素材や製法は大きく異なります。当社では、陸上で使用するエア遊具と、水上で使用する遊具を明確に分けて設計・製作しています。
本ページでは、それぞれの遊具において重視している素材選定、製法、品質管理の考え方を正直にご紹介します。価格や見た目だけでは判断しにくい「中身の違い」を比較検討いただくための参考情報としてご覧ください。
エア遊具の品質を左右する考え方
エア遊具の品質は、単一の要素で決まるものではありません。
素材の種類、生地の厚みや強度、接合方法、補強構造、そして出荷前の検品体制まで、複数の要素が組み合わさることで、初めて安全性と耐久性が確保されます。
当社では、「同じエア遊具だから同じ素材・製法でよい」という考え方はしていません。実際の使用環境と運用方法を想定したうえで、用途に適した設計を行うことを重視しています。
陸上エア遊具の素材・製法について
使用素材(陸上用PVC)
陸上エア遊具では、柔軟性と耐久性のバランスに優れたPVC素材を使用しています。
イベント会場や商業施設などでの設置・撤去・保管を繰り返す運用を想定し、十分な強度を確保しつつ、扱いやすさにも配慮した素材選定を行っています。
重要なのは「PVCを使っているかどうか」ではなく、どのような条件で使用されるかを前提に選ばれているかです。
生地の厚み・仕様の考え方
生地の厚みは、エア遊具の比較項目としてよく挙げられますが、厚ければ必ずしも高品質とは限りません。厚みが増すことで重量が増え、設置作業や撤去、保管時の負担が大きくなる場合もあります。
当社では、
- 利用人数
- 使用頻度
- 屋内・屋外の環境
- 運営時の取り扱いやすさ
といった条件を踏まえ、実際の運用に適した厚みと仕様を選定しています。
引張強度・引裂強度について
陸上エア遊具において重要な指標の一つが、素材の引張強度および引裂強度です。
引張強度は、生地を引っ張った際にどの程度の力に耐えられるかを示す数値です。
一方、引裂強度は、生地に小さな傷や切れ目が入った状態でも、そこから裂け広がらずに耐えられるかを示します。
実際の使用環境では、地面との擦れや金具との接触により、生地表面に細かな傷が入ることがあります。そのため当社では、新品状態の強さだけでなく、傷が入った後の耐久性を示す引裂強度を重視しています。
例えば、引裂強度が400Nを超える素材の場合、約40kg相当の力が加わっても、すぐに裂け広がらない強度を持つことを意味します。当社では、こうした数値を参考にしながら、用途に適した素材を選定しています。
縫製・補強構造(陸上)
陸上エア遊具では、縫製による接合を基本としています。
出入口や着地点、利用者が集中しやすい箇所など、負荷がかかりやすい部分については補強を施し、繰り返し使用を前提とした構造を採用しています。
単に縫い目を増やすのではなく、どの方向に、どの程度の力がかかるかを想定した縫製設計を行うことが重要だと考えています。
水上遊具の素材・製法について
水上用途に適した素材と生地仕様
水上遊具では、陸上エア遊具とは異なるグレードの生地素材を使用しています。
素材そのものだけでなく、生地の厚みや仕様も水上用途に合わせて選定しています。
水に常時触れる環境を前提とするため、耐水性を考慮した素材を採用しています。
縫製・接合方法(水上)
水上遊具では、縫製は行わず、接着剤と熱圧着による接合方法を採用しています。
これは、水中や濡れた状態で使用されることを前提とした場合、縫製よりも安定した接合が可能なためです。
そのため、水上遊具は陸上エア遊具とは製作工程が異なる専用設計となります。
水圧・摩耗対策について
水上遊具については、特別な水圧対策や摩耗対策を目的とした設計は行っていません。
そのため、安全な使用には、
- 想定用途に合った製品選定
- 使用環境の確認
- 適切な運営・管理
が重要となります。
当社では、製品の特性を正しく理解したうえで運用することが、安全性につながると考えています。
品質管理・検品体制(共通)
エア漏れ検査
製作後は、空気を充填した状態で一定時間保持し、エア漏れがないかを確認します。
接合部や接着箇所を中心にチェックを行い、初期不良のリスクを低減します。
出荷前チェック
出荷前には、外観、接合部、付属部品を含めた全体確認を行います。
実際の使用を想定した視点で確認することを重視しています。
メンテナンスと保管の考え方
エア遊具は、適切な保管と点検を行うことで、より長く使用することができます。
当社では、導入後の運用まで含めた考え方を、品質の一部として位置づけています。
よくある誤解と当社の考え方
陸上用と水上用は同じ素材・製法ではありません
用途に応じて明確に分けて設計しています。
水上遊具に万能な耐久対策があるわけではありません
使用環境と運用管理が重要です。
数値や製法は安全を保証するものではありません
判断材料の一つとしてご活用ください。
まとめ
当社では、陸上エア遊具と水上遊具を同一視せず、用途に応じた素材・製法を採用しています。
本ページの内容が、製品比較や導入検討の際の判断材料としてお役に立てば幸いです。